表題番号:2016K-169 日付:2017/04/04
研究課題保険数理における新しい動的リスク尺度の理論と応用
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 准教授 清水 泰隆
研究成果概要
本研究では,保険の新しいソルベンシー基準に沿った,市場整合的なリスク評価のための新しいリスク尺度を提案した.この種の先行研究として破産確率をベースとしたリスク尺度の研究があるが,本研究では破産確率だけでなく,破産時の損害額や破産直前資産額など,実務的にも重要なリスク量を含めたリスク関数(Gerber-Shiu関数)の形で動的リスク尺度の一般化に成功した.この成果は保険数理に関する国際誌の特集号へ投稿中である.また,(c)の統計推測の理論と方法については,Gerber-Shiu関数のノンパラメトリック推定の枠組みで平均2乗の意味での一致性を持ち,最適収束率を達成する推定量の構成に成功した.これらは,保険数理の国際誌への掲載が決定している.