表題番号:2016K-165 日付:2017/03/29
研究課題ナノワイヤ型シリコン熱電発電デバイスの開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 渡邉 孝信
研究成果概要

本研究では、Siナノワイヤを用いた熱電発電デバイスの開発に取り組み、以下の成果を得た。

1)スケーラブルなプレーナ型熱電発電デバイス構造の発明

微細化、高集積化により単位面積当たりの発電パワーが向上する平面型熱電発電デバイス構造を考案し、特許出願した。従来提案されていた平面型熱電発電デバイス構造と異なり、基板内部の熱流を遮断するための中空構造を設ける必要がない。

2)Siナノワイヤ熱発電デバイスの試作

Siナノワイヤを用いた熱電発電デバイスを試作し、ナノワイヤ長を短くすることで発電パワーが向上することを実証した。

3)Siナノワイヤの異常熱電発電効果の観測と発現メカニズムの解明

n型半導体は負のゼーベック係数を示すが、本研究で作製したn型Siナノワイヤ熱電発電素子で正のゼーベック係数を観測した。この異常現象は、Siナノワイヤの表面準位に捕獲されたキャリアによるポテンシャル変調で説明できることが判明した。