表題番号:2016K-145 日付:2017/02/20
研究課題ソフト情報の開示が企業の投資決定に与える影響のモデル分析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 助教 若林 利明
研究成果概要

 本研究では、新たな業績指標を社内で開発し、短期的な客観指標と主観指標(ソフト情報)を統合した多元的業績評価を導入しても常にプリンシパルの効用を改善するわけではないことを示した。特に、その是非や影響の程度は、報酬契約に利用している既存の業績指標、業績指標の特性(成果との関連性や精度)、およびエイジェントの個人的属性(心理的な要素や能力)の相互作用に依存することを示した。

 本研究の背景には、成果主義に対する消極論として、被評価者が短期的で客観的な業績指標のみに注力することで長期的な企業価値を損ねうると指摘されていることがあげられる。こうした欠点を補うために、部下および上司など多方面からの人事考課、ならびに顧客満足度や将来指標を取り入れた評価システムに期待が寄せられている。