表題番号:2016K-104 日付:2017/04/08
研究課題明治・大正期文学の中産階級読者から見た「女の謎」表象に関する総合的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 石原 千秋
研究成果概要
 明治後期に定着した「良妻賢母」思想は、女性の振る舞いとしてはよけいなことは話すな、余計な動きをするな、心を表情に出すなという形を取る。それが、教育を受けた若い女性に強い関心を持った男性知識人にとっては「謎の女」に見えたのである。漱石的主人公を「何かについて考える人物」として「小説的主人公」と呼ぶことを提案した。まさに、これが漱石的主人公で、「女の謎」と「漱石的主人公」の誕生は歴史的必然性があったのである。