表題番号:2016K-099 日付:2017/04/03
研究課題近世日本の宗教的秩序と異端的宗教活動
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 大橋 幸泰
研究成果概要
 本研究は、筆者が概念化した近世日本における宗教活動のカテゴリーである異端的宗教活動を材料に、近世から近代への秩序の転換の意味を考えようとするものである。秩序を維持しようとする側から危険視された被治者の宗教活動全般を意味する異端的宗教活動の中でも、本年度は引き続き対馬藩田代領の隠し念仏、鹿児島藩領の隠れ念仏に関する史料の解読を進めた。異端的宗教活動を実践する人々には、治者から警戒される内面の内在的属性とともに、宗門改で確定する公的な外在的属性と、治者から内面の信心がどのように見られていたかというもう一つの外在的属性があった。近世とは、重層的で曖昧な属性が保持されていた時代であったといえる。