表題番号:2016K-079 日付:2017/04/12
研究課題縄文社会の呪術と儀礼に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 高橋 龍三郎
研究成果概要
「縄文社会の呪術と儀礼に関する研究」を遂行するうえで、大きな課題が2つある。1つは、縄文時代の呪術と儀礼、祭祀が最も高揚するのは縄文時代の全時期にあるのではなく、後期-晩期に限られることで、その根本的原因が「縄文社会の複雑化・階層化過程」と密接にかかわることである。その点を確認するうえで、縄文社会の複雑化の様相を具体的に解明することが重要である。研究の結果、先祖祭祀をはじめとする様々な儀礼と祭祀において、霊的存在を媒介にして儀礼と祭祀が発達し、社会の複雑化と関係したことが判明してきた。その仮説を民族誌において確認することが2つ目の課題である。その課題に向けて、パプアニューギニア社会の民族誌を調査・研究し、先祖祭祀をはじめ様々な霊的存在を媒介にした儀礼と祭祀が氏族社会の発達と維持に必要不可欠の根本要因であることを解明した。