表題番号:2016K-077 日付:2017/02/18
研究課題カッパドキアの聖堂装飾-首都コンスタンティノポリスの初期図像の残存か?
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 益田 朋幸
研究成果概要

 カッパドキアの4聖堂において、「キリスト昇天」と「キリストと十二使徒」を結合させた壁画が認められる。これは正教典礼における「昇天の木曜日」のオルトロスとリトゥルギアの図像に対応する。したがってカッパドキアの作例は、典礼暦に読まれる福音書の章句を編纂したレクショナリー写本に基づいて制作された、首都コンスタンティノポリスの壁画を写したものと推測される。同じくギョレメ地区のトカル・キリセ旧聖堂には、アプシスを囲む東壁に「キリスト神殿奉献」の断片が残っている。アプシス左右に「神殿奉献」を分割して描くのは、聖堂の祭壇を絵画の中に採り入れる試みである。以上2つの論文を英語で執筆し、現在出版を準備中である。