表題番号:2016K-073 日付:2017/04/10
研究課題大和国・山城国を中心とする荘園村落情報の収集と体系化
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 海老澤 衷
研究成果概要

2016年度の研究成果は次の通りである。

(1)大和国

 大和国に関しては、東大寺領荘園に関する東大寺文書を挙げることができる。特筆すべき成果としてあげられるのは2016年9月24日に行った日本古文書学会大会(早稲田大学井深記念ホール)における招待講演である。「中世文書から荘園景観を見る」と題して、東大寺領美濃国大井莊に関して現地調査による情報と中世文書による情報を照合しながらその成果を公表することができた。特に永仁3年に作成された「大井莊実検馬上取帳案」については前半が東大寺図書館に、後半が早稲田大学図書館に存在するもので、この地の条里制の特性を示すことができた。

(2)山城国の場合

 山城国については東寺領荘園である備中国新見莊を挙げることができる。2016年11月6日、岡山県立博物館の「新見莊-中世荘園の記憶」(国宝東寺百合文書がユネスコの記憶遺産に選定されたことを記念する特別展)で招待講演「「新見莊の鉄年貢とたたら生産」を行った。