表題番号:2016K-072 日付:2017/04/11
研究課題政治文化としての19~20世紀イギリス議会政治-我が国との比較において
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 松園 伸
研究成果概要
19世紀における英国議会の議事運営について研究した。その最大の特徴の一つは、政府の立法への関与強化である。かつて、平議員が自ら法案を提案することは珍しいな行動ではなかった。しかし議会の立法業務は1801年以降10年間だけでも2倍に増加し、その傾向は世紀後半ますます顕著になる。政党の組織化は、個々の議員の活動を一層制約した。だが都市インフラ整備などは依然、私的立法によって進められていた。政党間の対立による議場の紛糾は、自由な議論を阻害したが、なお「討論の文化」は、相当程度確保されていた。本研究では、政府による議事の「管理」management と一般議員によるprivate legislation という一見相反する現象がどのように進行したのかを考察した。成果は邦文、英文の論文の形で2017年度以降発表される。その一部は、議事運営についての日英比較の形をとる。