表題番号:2016K-070 日付:2017/03/15
研究課題外部メディアの描く強卵式のイメージと地域住民のアイデンティティ表象への影響の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 助手 酒井 貴広
研究成果概要
 本研究課題では、栃木県栃木市都賀町家中地区の鷲宮神社で毎年の例大祭に執り行われる「強卵式」を題材に、新設の儀礼が地域住民のアイデンティティ表象に及ぼす影響と、地域外のマス・メディア上で強卵式が再表象される際の特徴を考察した。強卵式は、家中地区の様々な思惑を抱く人々によって運営されているにも関わらず、各自の思惑に即して各主体が積極的に立ち働いたため、逆説的に「地域の祭り」としての伝統性を強固にしている。一方、地域外のマス・メディア上で、強卵式は「奇祭」として再表象されてきた。地域内外の強卵式表象は相互作用を生じさせており、強卵式を取り巻く言説空間は、入れ子状の構造をなしていると結論付けられる。