表題番号:2016K-060 日付:2017/04/10
研究課題冷戦期イギリス文化外交が東欧諸国にもたらした社会的インパクトについて
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 渡辺 愛子
(連携研究者) 東京大学 准教授 ピーター・ロビンソン
研究成果概要
 本研究課題の目的は、冷戦期にソ連の支配下にあった東欧諸国に対し、イギリスの文化外交がどれほどの社会的影響力を与えたのかを考察するものであった。冷戦期の現状を把握するためとくに着目したソ連政府刊行の英字新聞The Moscow Newsは、ときにイデオロギー的には正反対な立場をとる西側陣営の諸文化を取り上げ、これを賛美しながら巧妙に自国文化に取り込み、自国宣伝に利用しようとしたことがわかった。イギリスの場合、ソ連が重視したのは文学(なかでもシェイクスピア作品)であったが、資料の収集にやや手間取り、この状況をイギリス政府が逆手にとって対抗プロパガンダに打って出た可能性と東欧諸国への浸透状況については、現在も考察中である。