表題番号:2016K-056 日付:2017/04/14
研究課題『心性罪福因縁集』院政期古写本の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 吉原 浩人
研究成果概要
本研究費は、平成27~30年度日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(C)「院政期・摂関期の宗教思想研究―菅原文時と永観を起点に―」の補完的経費として申請した。『心性罪福因縁集』三巻は、日本では『宗鏡録』『万善同帰集』の著者永明延寿の著書として受容されてきた。本書は、永観『往生拾因』に引用され、『今昔物語集』の二話の原拠ともなっている。ところが中国のどの経録類にも見出せないため、延寿真撰か、中国・日本における偽撰か、判断が分かれている。本研究費では、新発見の真福寺蔵院政期古写本を調査し、さらに龍谷大学図書館蔵の元禄版本四部を調査した。本研究の成果は、2017年12月に刊行予定の『中世禅籍叢刊』第12巻「稀覯禅籍集 続」(臨川書店、解説・翻刻吉原担当)などで公表する。