表題番号:2016K-051 日付:2017/03/31
研究課題古典古代末期の詩人たちと文学の伝統
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 宮城 徳也
研究成果概要
科研費の挑戦的萌芽研究に応募し、採択された研究課題「西欧古代と中世の文学史における連結点としてラテン語詩人クラウディアヌス」を補完するために、古代末期のその他の文人、シドニウス・アポリナリス、エンノディウス、ドラコンティウスの異教的題材の詩に関して研究を深め、古典期のラテン詩人ウェルギリウス、オウィディウス、帝政時代白銀期のセネカ、ルカヌス、スタティウス、帝政後記のアウソニウス、プルデンティウスの作品を、科研費の課題であるクラウディアヌスとの関係において、その影響関係を一部整理した。2016年度は、「叙事詩」を中心に研究することを目途としており、特定課題研究においても、上記の文人たちの叙事詩的作品を精査し、先行研究を踏まえて、文学史の再構築をめざし、将来的目標である、古典古代と中世ラテン文学をつなぐ連結点としての古代末期の文学の、中世の文人、思想家への影響関係を明確にする出発点に立つことができた。科研費での研究の2016年度の目標は、「正統的な叙事詩の伝統に対して、神話を利用した模倣、諷刺の姿勢があり、このような脇筋の伝統を、オウィディウス、スタティウス、クラウディアヌスに貫かれ、クラウディアヌスがその伝統を大成して後世に引き継いだことを明確にしたい」としており、本研究はそれを補完するものであるので、特定課題での目標到達点は、シドニウスの作品を分析し、クラウディアヌスからの影響関係を明らかにすることで、これにより科研費による研究を補完し、これ以後の目標(古代末期と中世ラテン文学に関する文学史の再構成)に大いに貢献することが期待されたが、少なくともその一部は達成でき、クラウディアヌスの論文を1本書いて、祝婚歌の中に叙事詩とも共通する牧歌的ヴィジョンを明らかにした。