表題番号:2016K-004 日付:2017/04/25
研究課題首相の靖国神社参拝をめぐる日・中・米新聞報道のディスコース分析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 教授 ソジエ内田 恵美
研究成果概要
中曽根・小泉・安倍首相の靖国神社参拝をめぐって、日・米・中の新聞がどのようにそれを表象し普及させたのかを、言説分析の手法に則り、明らかにしようとした。最も顕著な結果が見受けられたのは、人民日報による靖国に合祀されたアクターの表象の変遷である。中曽根期には「戦死者」などの一般兵士が、「A級戦犯」とは別に表象されていた。しかし、小泉期になると、ほぼ戦犯に限定された記述となる。「殺人者」「死刑執行人」といった表現も出現し、第六回の参拝では「鬼」と表象された。この鬼言説は安倍期に一期に増加する。またこの結果は、日本の産経新聞が頻繁に用いる「祭神」言説や「戦争犠牲者」といった表現と両極をなす。