表題番号:2016B-321
日付:2016/12/07
研究課題神経変性疾患やうつ病における時の流れを感じるメカニズム
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 高等研究所 | 助教 | 田原 優 |
- 研究成果概要
- 本研究では、1日を感じるメカニズムである概日時計に着目し、アルツハイマー病などの神経変性疾患、またはうつ病における時間の感じ方の変化、またその変化のメカニズム解明を行う。アルツハイマー病モデルマウス(APPswe, PS1M146V, tauP301L; 3xTg mouse)を用いて、生後3, 10ヶ月における恒暗条件下における睡眠-覚醒リズムを測定した。睡眠ー覚醒リズムは、赤外線センサーとCLOCK LABを用いて、単独飼育下で測定した。結果、アルツハイマー病の症状が現れる10ヶ月齢のマウスにおいて、行動周期の有意な短縮が認められた。さらに、まだアルツハイマー症状の見られない3ヶ月齢のマウスでも、行動周期の短縮が認められた。よって、認知症において概日時計の感じ方が早まっている可能性があることが分かった。さらに、若齢でも同様の結果が見られたことから、概日時計の変化は、神経変性による結果ではなく、遺伝的な変化によるものと考えられた。