表題番号:2016B-314 日付:2017/04/06
研究課題1910年代から20年代のパリにおける"クラシック"と"ジャズ"の融合
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) グローバルエデュケーションセンター 助教 池原 舞
研究成果概要

本研究は、1910年代から20年代のパリにおいて、クラシック系の作曲家たちがジャズをどのように自作に導入したのかを再検討するものである。アンセルメの思想やラヴェルの記譜法から、西欧中心主義的思想が根強くあったこの時期、ジャズは西洋芸術音楽にあくまでも素材として組み込まれていた。

一方でストラヴィンスキーは、20年代以降もジャズ風の作品を作曲した。《ロシア風スケルツォ》のジャズ版とシンフォニック版の書法比較および《エボニー協奏曲》の演奏解釈の分析から、ジャズらしさを模索していた点を抽出し、彼にとってのジャズは、西洋音楽とは全く異なる新たなジャンルであるという認識に変わったということを明らかにした。