表題番号:2016B-272
日付:2017/03/22
研究課題12・13世紀を中心とした装束書の研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 国際学術院 国際教養学部 | 助手 | 中井 真木 |
- 研究成果概要
本年度は『助無智秘抄』を中心に研究を進めた。本書については、12世紀半ばの成立は覆らないものの、成立年を永万2年とするのは誤りであること、片仮名と平仮名(臨時巻のみ)の2系統の本文があること、片仮名本のうち陽明文庫本が多くの写本の祖本として重要であること、本文に『蓬莱抄』や『侍中群要』等からの引用が多く含まれること等が明らかになった。上記の途中経過については明月記研究会で報告し、有用な助言を得た。また今後の課題として、蔵人や近衛に関わる記述が多いことや、平行義の子孫に関する記述の意味、編者、『満佐須計装束抄』等なぜこの時期に(仮名の)装束抄が多く書かれるようになったのか等といった課題を得た。