表題番号:2016B-270 日付:2017/03/05
研究課題量子化学計算による海底熱水噴出孔における炭素1原子を含む分子の化学反応過程の解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 国際教養学部 教授 稲葉 知士
研究成果概要

本研究では、海底熱水噴出孔を原始生命が誕生した場所と仮定して、炭素1原子を含む分子間の化学反応素過程について明らかにする。熱水噴出孔付近での化学反応は水中で進むため、溶媒である水分子との相互作用を考慮しなければならない。今年度は、メタンジオールの影響が極めて小さくなる領域内にあるすべての水分子の効果を計算に取り入れるため、大多数の水分子を分子力学的に扱い、反応が起こるメタンジオールと第一水和圏内の水分子を量子力学的に扱うONIOM法を用いた。ONIOM法で得られた活性化エネルギーを用いて計算した理論的な反応速度は、室内実験で得られる反応速度に一致した。