表題番号:2016B-237 日付:2017/03/24
研究課題長寿遺伝子サーチュインのゲノム保護作用による発ガン予防:機能性食品によるその制御
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 千葉 卓哉
研究成果概要
 カロリー制限(calorie restriction: CR)は、実験動物の老化を遅らせ、寿命を延長させる最も確実な介入方法である。その抗老化作用に関連するシグナル伝達系はまだ不明な点が多いが、サーチュインと呼ばれる長寿遺伝子の関与が示唆されている。そこで本研究では、サーチュインを活性化させる植物由来成分であるレスベラトロールをマウスの餌に混ぜ、ドキソルビシンによって誘導される酸化ストレスによるDNA損傷に対する保護作用を解析した。
 その結果、CRによる脂質代謝関連遺伝子の発現上昇は、ドキソルビシン投与によって抑制され、レスベラトロールを投与されたマウスにおいても同様にそれらの遺伝子の発現上昇は見られなかった。しかし、レスベラトロールを投与したマウスはサーチュイン遺伝子の発現が上昇し、このことが通常食を投与したマウスと比較して酸化ストレス耐性が亢進したことと関連があると示唆された。