表題番号:2016B-216
日付:2017/04/08
研究課題異質的経済主体と内生成長:成長政策の定量的評価の為の理論・実証研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 社会科学総合学術院 社会科学部 | 准教授 | 及川 浩希 |
- 研究成果概要
- 本研究は、内生的成長の理論に価格の硬直性の要素を取り入れることによって、金融緩和やインフレと経済成長の関係を分析した。価格の硬直性があると、インフレやデフレがイノベーションの報酬である新規企業の価値を削減し、創造的破壊の頻度の低下をもたらすことを理論的に示した。中央銀行は、長期的なインフレ率をファンダメンタルな実質成長率に等しいデフレに設定することで、経済成長率を最大化することができるが、経済厚生上最適なインフレ率は、主として研究開発の過剰投資のため、成長を最大化するインフレ率を上回る可能性がある。ただし、カリブレートされたモデルでは、最適インフレ率が成長を最大化するインフレ率に近い。