表題番号:2016B-180 日付:2017/03/31
研究課題光学活性ヘテロトリプチセン誘導体の不斉合成と応用
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 柴田 高範
研究成果概要
 ヘテロ元素を含んだ縮合多環式化合物が機能性材料として注目されている。中でも中員環を導入した化合物は歪んだ骨格を有し、平面構造を有するアセン類とは異なる新規な物性が期待される。今回我々は、ジフェニルチオエーテルで架橋された1,8-ジインあるいは、2-スルファニルビフェニルで架橋された1,8-ジインとモノアルキンとの[2+2+2]付加環化を検討したところ、キラルなカチオン性ロジウム触媒を用いることで、効率的に反応が進行し、異なる置換形式の多置換トリベンゾチエピン誘導体が高鏡像体過剰率で得られた。本反応では、ヘテロ元素として硫黄に加え、セレンあるいは酸素架橋の1,8-ジインを用いた際にも高鏡像体過剰率で目的の環化体であるトリベンゾヘテロピンが得られた。