表題番号:2016B-137 日付:2017/03/06
研究課題アンコール遺跡を初めとする東南アジアの石造建造物に対する岩石学的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 内田 悦生
研究成果概要

東王道には27のラテライト造の橋がかかっており、そのラテライトの帯磁率と化学組成に基づき、橋は4つのグループに分かれることが明らかになった。砂岩材と比べてラテライトの供給範囲が狭いことが明らかになるとともに、東道の橋の建造がアンコール・ワット期初期であることが明らかになった。

 クレン山裾野のアンコール期の石切り場の全容を明らかにするために石切り場の調査を行ない、新たに21箇所の石切り場を発見した。

 ラオスの南部にあるWat Phu寺院などに使用されている砂岩材、石切り場および周辺の砂岩露頭の調査を行なった。これらの砂岩は、カンボジアのアンコール遺跡に使用されている砂岩材と同じ地層から供給されているが、アンコール遺跡の砂岩材と比べて帯磁率が低く、また、Srを初めとして化学組成にも違いが認められた。