表題番号:2016B-127 日付:2017/02/23
研究課題大規模オンライン手書きデータを用いたテーラーメイド学習支援の実現
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 山名 早人
研究成果概要

本研究では、手書きデータから論理的思考力を数値化することを最終目標とした予備研究として、1)数学幾何問題を対象とした手書きデータからの解答分類、2)記述された文章からの単語分割手法に関する研究を実施した。

幾何問題を対象とした解答分類では、まず19名の被験者実験を行い、幾何問題解答中の被験者の筆記過程を調査した。結果、幾何問題に対する図形への書き込みは、a)補助線、b)角度記入、c)辺上マーク(平行や長さが等しいことを示す)、d)線分の長さ・比、の4つに分類できることがわかった。次に、これらのプリミティブを用いて解法戦略として「円周角の定理」「内角の和」「合同」「二等辺三角形」「正三角形」「相似」を判定できるかについてk-means法を用いて分類を行い、平均0.7F値で可能であることが分かった。

記述文章からの単語分割では、ニューラルネットワークを用いた系列ラベリングによる単語分割手法を提案した。本手法を用いることで、少量の学習データを用いるだけで、辞書無しに単語分割が可能であることがわかり、認識精度が十分でなく、かつデータ量の少ない手書きデータへの利用可能性を示すことができた。