表題番号:2016B-074 日付:2017/04/04
研究課題ヨーロッパにおける索引の発達と近代的書物の形成と図書館の発展に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 雪嶋 宏一
研究成果概要

近代的書物形式であるページ付けの成立と発展を15-16世紀書誌データベースで主要出版地刊行の印刷本を1540年まで調査した。ページ付け本の登場はヴェネツィアで1499年、フィレンツェとミラノ1514年、バーゼルとシュトラスブルク1515年、ケルンとライプツィヒ1516年、マインツ1519年、アウクスブルク1524年、パリ1525年、リヨン1526年等であり、バーゼルで平均48%、マインツで29%、ケルンで19%、リヨンで21%にページ付けが行われた。ページ付けはバーゼルのFroben、マインツのSchöffer、ケルンのGymnich、リヨンのGrypheにより推進された。Erasmusの著作が全体の13.1%を占め、人文主義書にページ付けが多い。Erasmusとページ付け本との関係が示唆される。図書館では印刷本の収集は不十分であった。