表題番号:2016B-064 日付:2017/04/09
研究課題実践的観点からみたアーラヤ識説の総合的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 山部 能宜
研究成果概要

 本研究の眼目は,禅定実践における身心相関の重要性に着目し,アーラヤ識をその身心相関の要となるものとしてとらえ直すことにある.アーラヤ識は種子説と不可分であるから,その双方に目を配りつつ研究を進めた.

 アーラヤ識そのものに焦点をあてたものが,9月に日本仏教学会で行った発表であって,禅定の実践における身心の転換がアーラヤ識の転換と連関していることを論じた。

 一方,種子説に焦点をあてたのが,5月に大正大学でおこなった発表と,11月にU.C. Berkeleyで行った発表である.前者では,種子をめぐる異時因果と同時因果の問題を考察し,後者では,種子説の発展において概念構想が果たした役割について検討した.