表題番号:2016B-061 日付:2017/04/01
研究課題六藝書としての『史記』と『漢書』の思想史的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 渡邉 義浩
研究成果概要
  本研究は、従来、史書であることを前提として研究されてきた『史記』と『漢書』を「史」の成立以前の「六藝」の書として分析することにより、両書の思想史的位置付けを試みるものである。「史」の自立以前に成立した両書のうち、『史記』は『春秋』を書き継いで著されている。これに対して、『漢書』が『尚書』を継承して著されたことを論証し、その結果、解明された『史記』と『漢書』の思想史的位置の違いから、同一事象に対する『史記』と『漢書』の描き方の違いが生ずる理由を解明する。その結果、前漢武帝期に儒教が国教化されたのか否か、といった漢代思想史の全体の枠組みの再検討を目指すものである。