表題番号:2016B-059 日付:2017/04/06
研究課題アリストテレスの形而上学と倫理学における現実活動としての幸福に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 岩田 圭一
研究成果概要
本研究では現実活動としての幸福をテーマとして取り上げたが、とくに知性的能力の発揮としての幸福を理解するための基礎作業として、『魂論』第3巻の知性論を取り上げた。まず、『魂論』第3巻第3章を取り上げ、知性的能力に関わる術語を整理するとともに、知性的能力と感覚や表象との区別について確認を行った。次に、『魂論』第3巻第4章を取り上げ、知性の本性、および知性と知性対象との関係について、主として、感覚との類比による説明が行われている箇所に基づいて考察を行った。また、知性が知性対象としての本質を捉えることを説明する難解な箇所を取り上げ、一定の解釈を提示し、知性の働き方について理解を深めた。