表題番号:2016B-011 日付:2017/04/02
研究課題自由貿易と国内政治基盤:「埋め込まれた自由主義」の再検討
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 教授 久米 郁男
研究成果概要
本研究は、戦後の国際的自由貿易体制の安定を、対外開放政策と介入的国内経済政策の組み合わせに求めた「埋め込まれた自由主義」仮説の再検討を目指した。本仮説においては、自由貿易が当事国の労働者の雇用に与えるネガティブな影響を緩和する福祉政策や経済政策が、自由貿易への支持を調達する上での条件とされてきた。本研究では、既に積み上げてきた日本におけるサーベイ実験の再分析とInternational Social Survey Programme (ISSP)が実施した2003年のデータ分析により、自由貿易支持は、福祉政策の展開よりも、貿易自体がもたらす消費者利益によって調達されうることを示した。