表題番号:2016B-007 日付:2017/04/25
研究課題戦後日本の首相演説の研究:Discourse Analysisを用いた実証研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 教授 ソジエ内田 恵美
研究成果概要
戦後日本の首相による所信表明演説を、ハリデーの選択体系機能理論における過程構成(transitivity)を示す過程型に分類することにより、その演説スタイルの質的変化を数値化した。吉田茂首相から安倍晋三首相までの所信表明演説の文末で用いられた7765の動詞群を、(1)物質過程(「する」過程)、(2)心理過程(「感覚する」過程)、(3)関係過程(「ある」過程)、(4)発言過程(「言う」過程)に分類した。結果として、戦後直後の首相らは心理過程節(自分の考えなど内的経験としての語り)の割合が大きかったが、最近の首相らは物質過程節(具体的な外的世界への働きかけとしての語り)を用いる傾向が高くなった。