表題番号:2016A-018 日付:2017/02/26
研究課題中近世ヨーロッパの身分制議会における君臣間の双方向的な合意形成-バール=ロレーヌ公領の身分制議会の場合-
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 堀越 宏一
研究成果概要

 中近世ヨーロッパ身分制議会史のホイッグ史観的理解に対する反例として、フランスの身分制議会=三部会における、より協調的な君臣間交渉がある。同時期のバール=ロレーヌ公領でも、フランスに似た議会運営の下、協調的な課税合意が取り結ばれていた。本研究では、当該時期のバール=ロレーヌ公領三部会に関する大量の未開拓古文書を調査・分析することを目指した。

 具体的には、2016年8月に、ムルト・エ・モゼール県公文書館において、ロレーヌ公領三部会史料関連文書の調査を行った。その結果、三部会開催が定期的ではないことと同時に、家臣団に対するロレーヌ公の融和的姿勢が一貫している内容を数多く発見することができた。