表題番号:2016A-014 日付:2017/04/05
研究課題オーストロアヴァンギャルドの新たな展開
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 准教授 山本 浩司
研究成果概要

本研究では、現代アヴァンギャルドの源泉に戦後ウィーンの前衛運動「ウィーン・グループ」を想定し、ドイツ語圏における言語批判的な文学伝統の復権を試みるとともに、政治性や倫理性に過剰な力点が置かれたドイツ戦後文学史を読み直す作業を進めた。戦後西ドイツの主流文学を「アヴァンギャルド=バッシング」と呼んで、ダダとオーストリアの言語批判の伝統に接続した90年代のクリングやバイヤーの試みの再評価を進め、11月にはコロラド大学とウィーン大学の共同研究者たちとウィーン大学で徹底討議をして問題意識を深めた。現在、アヴァンギャルド作品のアンソロジー形式での翻訳紹介と国際学会発表の準備を順調に進めているところである。