表題番号:2016A-003 日付:2017/04/09
研究課題公約の役割に関する政治経済学的分析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 教授 小西 秀樹
研究成果概要

本研究では,いつでも反故にできる公約が為政者の行動をコントロールする上でどのような役割を果たすのか,ゲーム理論の枠組みを用いて分析した.為政者が持つ政権継続の誘因は,有権者が彼らの行動をコントロールするうえで重要な要素である.有権者が現職の再選を認めるかどうかを在任中の実績に依存させて決める実績投票戦略はその有力な手段になることが知られている.だがこの戦略は,少なくとも過半数の有権者が協調して同じ再選規準を採用しなければ機能しない.本研究では,公約が遵守されたかどうかを再選規準にしたとき,有権者が最適な実績投票戦略を選択したときと同じように為政者の行動をコントロールできることを示した.