表題番号:2015S-165 日付:2016/03/31
研究課題ストラヴィンスキーの五線ローラーについて
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) グローバルエデュケーションセンター 助教 池原 舞
研究成果概要

ストラヴィンスキーは、しばしば、切り取られた紙片に五線ローラーで譜表を引き、そこに音楽的着想を書き込み、それらを並べて作曲していた。本研究は、この五線ローラーがいつから使用されたのかを調査し、この道具を用いた意義を考察することを目的とした。
パウル・ザッハー財団のSammlung Igor Strawinskyを対象とし、最初期の作品から順に五線ローラーが用いられているか否かを調査した結果、《春の祭典》が、その最初の事例であることが判明した。以降の作品において、特に作曲の初期段階で多用されていた。以上から、五線ローラー使用の意義は、アイディアを引き出すための予備運動を促すものであったと結論付けた。