表題番号:2015S-015
日付:2016/04/06
研究課題現代社会の民俗に関する通時的研究
―戦後から現在までの「犬神」を事例として―
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 文学学術院 文化構想学部 | 助手 | 酒井 貴広 |
- 研究成果概要
- 本研究では、戦後70年間での高知県における「犬神」の変容の要因を、これまで顧みられることのなかった事象に求めることを試みた。具体的には、戦後高知県の生活改善諸活動に着目し、県下で「生活改善」の語として広く受け入れられたこの運動の隆盛と衰退が、「犬神」にまつわる語りの増減と一致することを指摘した。また、「生活改善」に端を発する地域振興は、形を変え今日まで高知県で継承されてきたことも明らかとなった。なお、こうした地域振興を主体的に担ったのは女性達であり、高知県の戦後社会において女性達が社会に参加し地位を築いていく過程と「犬神」の変容との関わりを明らかにすることを、今後の重要な課題とした。