表題番号:2015K-340 日付:2016/04/11
研究課題強制移住地域における社会環境実態調査カンボジア・カンダール州ウドン地域を事例に
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 平山郁夫記念ボランティアセンター 助教 島崎 裕子
研究成果概要
 カンボジアの経済成長は著しく国内GDPは急速な伸び率を示している。同時に都市の「一極型」繁栄の陰に貧困が増大する事実がある。本調査では、プノンペン市ボレイケイラ地区の強制移転の事例で検証を行った。本調査では、経済発展は土地の集約的利用を促進するが、その裏側では、都市偏重型の開発が貧困層に社会的排除をもたらし、貧困の悪循環を生み出している実態が浮かび上がった。住民の移転先の社会環境では、インフラの未整備、雇用の欠如、教育や情報へのアクセスの困難さが現れていた。社会内の権力関係、貧富の格差問題に焦点をあてるとき、「貧困が貧困を生む」貧困の悪循環のメカニズムが見えてくる。