表題番号:2015K-253 日付:2016/03/05
研究課題中東に関する社会学的研究の最新動向の分析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 店田 廣文
研究成果概要
 中東の社会学的研究のうち、所謂「アラブの春」に関連した諸研究において、エジプト社会に関する研究を分析対象とした。既存研究は、政治・経済に係わる諸研究が多かったが、本研究では、1月25日革命前後の人口変動に焦点を当てることとした。革命と人口との関連では、若者人口の割合の高さ、その社会・経済的な影響を指摘するケースが多く見られた。しかし、人口動態を分析していくと、2008年頃から出生率等の上昇がみられ、2015年まで上昇が継続していることが明らかであった。これまでは、1950年代頃から人口転換の過程に入ったと考えられ、1980年代頃の増加のピークを経て、将来にわたり人口増加も低下するとされていた。革命前後の出生率上昇は、人口転換過程に逆行するプロセスであり、革命と将来社会に対する人口変動の影響を検証することが必要である。