表題番号:2015K-192 日付:2016/04/11
研究課題電荷分離・輸送分子の組織化による新しい光電変換系の構築
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 小柳津 研一
研究成果概要
本研究は、有機二次電池の具体化に不可欠な高特性の電極活物質を創出するとともに、色素分子の複合化により、光電変換能を引き出すことを目的とした。特に、これらの支配因子と考えられる膜/電解液界面における物質移動を、レドックス基と化学結合させた色素分子を用いて効率化する切り口から、光電荷分離に関わる基本的な性質を引き出すことを試みた。その結果、これらと電解質の界面に配置させた色素部位の増感反応を活用し、効率高い有機太陽電池を試作・動作実証することが可能となった。さらに、光電荷分離・輸送性を高めた新しいポリマーの設計 (例えば色素準位とマッチさせたポテンシャル勾配の形成など) により、光電変換系としての変換効率を向上させた。これら基礎的追究から得られる知見を総合し、有機太陽電池を構成しうる斬新な光電荷分離・輸送材料としての可能性を明確にした。