表題番号:2015K-131 日付:2016/03/30
研究課題上場会社の不実開示時における損失分配ルールのあり方に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 教授 和田 宗久
研究成果概要
 本研究では、法人たる会社の不実開示責任(民事責任)に関する制度の主な趣旨について、「1.不実開示の抑止」、「2.不実開示がされた場合の、投資家に対する経済的損失の(一部)塡補を通じた証券市場の信頼性の確保・向上」であるという前提に立ち、とくに前者の「不実開示の抑止」という面から、アメリカ法の分析を行った。そのうえで、アメリカでは、証券クラスアクションを起こさせるインセンティブを証券規制やD&O保健を通じて一部弁護士に与え、そうした訴訟を喚起し、不実開示の抑止を図ってきた一方で、近時の議論や合衆国連邦最高裁の判例は、そうした現状に疑問を呈しているような動向がみられることを指摘した。