表題番号:2015K-120 日付:2016/03/06
研究課題天野為之と経済学、経済雑誌、実業教育
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 教授 池尾 愛子
研究成果概要
 2014年秋、中国で天野為之(1861-1938)について研究発表をした時は2回とも、福澤諭吉(1835-1901)に触れる余裕がなかった。2015年度には、天野編『実業新読本』(全5巻、1911年、1913年改訂版)をさらに検討し、福澤諭吉の議論との比較に取り組んだ。天野は東京大学でフェノロサから英語で経済学を学び、初期の著書では外国の著書や資料しか参考文献に挙げていなかったが、『実業新読本』ではほとんどが日本人著作家からの引用であり、「経済学や商業教育の日本化」が進行していた。天野は福澤の著作をほとんど読んでいて、受け容れられることと、受け容れられないことを明確に区別していた。