表題番号:2015K-102 日付:2016/04/10
研究課題Dual Language Programs(双方向二言語教育)の基礎調査研究-早期英語教育への示唆-
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 原田 哲男
研究成果概要
本研究では、双方向二言語教育(Two-Way Immersion: TWI)に在籍する両言語の児童が、1)目標言語、2)母語、3)教科を十分に学習することができるのかを文献調査により明らかにした。TWIプログラムは、一般に従来のイマージョン教育よりも効果があり、母語も目標言語も十分に習得でき、教科学習にも成功すると言われている(Lessow-Hurley, 2012)。たとえば、スペイン語と英語のTWIの研究報告の多くは、言語教育と教科教育の両面に於いて、スペイン語話者にも英語話者にも効果的だとしている(e.g., Cazabon, Nicoladis, & Lambert, 1998; Genesee et al., 2006: Lindholm-Leary, 2001; Lindholm-Leary & Block, 2010; Thomas & Collier, 2002)。さらに、両言語の児童は、母語による学習能力も優れていると報告されている(Lindholm-Leary, 2001)。一方、アジア言語に関しては韓国語(Sohn & Merrill, 2008)と中国語(Padilla, et al., 2013)のTWIの例がほとんどで、残念なことに日本語と英語の体系的な事例研究はなかった。