表題番号:2015K-082 日付:2016/03/02
研究課題史と子の間―「捜神記」と天人相関説
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 渡邉 義浩
研究成果概要
干宝は、天人相関説の現れとしての瑞祥と災異とそうではない瑞祥と災異とを分けるためには、後者が発生する原理を『捜神記』に記した。干宝は、先行する著作の内容を組み合わせることで、自らの論理を構築する。『春秋左氏伝』の「妖災」、『論衡』の「鬼」の生成から、「妖怪」の生成論理を作り上げたのは、その一例である。「五気変化論」は、干宝の理論を代表するもので、「順常」という正常な変化は四種に分けられ、変化する際の「気」「形」「性」の変容と不変が整理されている。また、「妖眚」という常ではない変化は、人が「気」の「反」・「乱」・「貿」により変化することであり、これこそ天人相関説の中心に置かれるべき変化であった。