表題番号:2015K-058 日付:2016/03/22
研究課題カント哲学・フィヒテ哲学を手がかりとした、道徳・法・政治の関係に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 御子柴 善之
研究成果概要
カント哲学において、政治は「実地の法学」であり、それは道徳にあらかじめ忠誠を誓わない限り、一歩も前進しないものとされる(『永遠平和のために』)。このとき道徳とは何かを検討し、それが道徳性を要求する狭義の道徳ではなく、適法性をも包括する広義の道徳であるという見地から、道徳・法・政治の関係を明らかにした。このとき、「広義の道徳」に従うことは法・憲法を順守することとして表現され、政治が法制度の改革を目指す際には、憲法の範囲内で、憲法の改革を目指すには憲法自身の範囲内でそれが遂行されねばならないこと、そうした制限にはア・プリオリな根拠が存在することを明らかにした。