表題番号:2015K-054 日付:2016/03/18
研究課題戦国時代における戦争経済と兵糧の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 久保 健一郎
研究成果概要
  本研究では、戦国時代の兵粮について、戦争経済との関わりを追究した。検討した史料は、日記・年代記が中心だったが、九州の戦国大名島津氏の重臣上井覚兼が天正年間に記した『上井覚兼日記』から、兵粮と情報との関連が重要な論点になることを知りえた。搬送路・周辺地域の自然条件(地形・天候等)や人為条件(敵や在地の人びとの動向)の情報を迅速・確実に入手すること、それと裏返しの意味で、兵粮に関わる情報を「操作」することは、戦争を遂行する大名はもちろん、兵粮の売買に当たる商人にとっても重要だったと考えられ、兵粮の価格に与える影響なども視野に入れれば、戦争経済を追究するうえでも重要で、発展させられるべき論点であり、大きな成果を得たと考える。