表題番号:2015K-044 日付:2016/04/01
研究課題国際事実調査における責任追及指向性 ― 国際法の「刑事化」の一断面
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 大学院法務研究科 教授 古谷 修一
研究成果概要
 国際的な事実調査(fact-finding)が「中立的な事実の究明」から「刑事責任を追及するための証拠収集」へと転換しつつある動向を、国際法の「刑事化」の一部としてとらえ、近時における人権理事会により設置された事実調査機関の実行(リビア、シリア、中央アフリカ、スリランカ、ガザなど)を横断的に分析し、刑事裁判との関連がどのように認識されているのかを検討した。その結果、こうした事実調査機関は、シリアの調査委員会(COI)に代表されるように、安保理の機能不全(これに伴う、ICCへの非付託)を補う形で、人権理事会がCOIを使って人権侵害状況の責任追及を行うという性格を強く帯びていることを解明した。