表題番号:2015K-037 日付:2016/04/04
研究課題終末期医療における意思決定の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 大学院法務研究科 教授 甲斐 克則
研究成果概要
日本における終末期の意思決定について、世界医事法学会第21回大会(ポルトガル・コインブラ)の全体会議で基調講演を英語で行った。世界の専門家が集まる中でEnd of life Decision in Japan と題する基調講演できたことは、日本の理論的実務的現状と課題を広く知ってもらうことになり、大きな意義があった。また、小児の終末期医療について、医学系の雑誌に論文を2本掲載した。小児の終末期医療は、自己決定の論理が簡単に使えないため、より難解な課題があるが、その解決に向けた方向性を示すことができた。さらに、『臓器移植と医事法』という書を「医事法講座第6巻」として公刊した。国内外の脳死臓器移植や生体移植のの問題について、法的・倫理的・社会学的アプローチに基づいた多数の論文を収録した本書は、実に有益な内容となっている。その他、編訳書として、『海外の安楽死・自殺幇助と法』を公刊した。本書は、私が長年親交のある海外の著名な法律家を招いて日本で講演していただいた原稿を改めて翻訳しなおし、編集して配列したものであり、アメリカ、イギリス、オーストラリアの、ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクの状況が詳細に分析されている。