表題番号:2015K-028 日付:2016/04/29
研究課題ヤマト政権の形成と構造に関する国制史的研究-倭と出雲・吉備・北九州との関係を中心として-
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 特任教授 水林 彪
研究成果概要

本研究は、3世紀中葉に成立するヤマト政権の形成過程および構造的特質を、比較法制史・国制史の観点から究明することを課題とした。ただし、この時代は日本人がまだ文字をもたなかったことによって、研究方法としては考古学者との協同が不可欠となった。具体的には、考古学者の先達のもと、出雲、大和などの古墳を探索した。最も大きな成果は、弥生末期(2~3世紀中葉)の出雲・伯耆地方において、古代在地首長一揆とでもいうべき権力秩序が形成されていたこと、3世紀中葉から5世紀にかけての前期・中期ヤマト政権も、王権的秩序ではなく、在地首長一揆的秩序であったらしいことがわかったことである。