表題番号:2015K-024 日付:2016/02/25
研究課題戦後世代の戦争責任-日韓戦後世代間の法対話の可能性-
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 教授 中村 民雄
研究成果概要
 本研究は、グローバル立憲主義の可能性に関する一つの事例研究として日韓の従軍慰安婦をめぐる法的責任言説に焦点をあて、戦後世代の平和移行責任(世代を超えて引き受けるべき戦争責任)の論理構成を、日韓共通の法的価値と日韓の戦後世代の共通利益の発見を通して考え、日韓戦後世代の法的対話の可能性が認められるかどうかを考えた
 日本の裁判所はほとんどが従軍慰安婦が日本で提起した損害賠償訴訟について責任を認めないが、例外的に国の不作為を違法としそれに対する損害賠償責任を認める例もあり、その判決を精査し、そこに日韓共通の戦後世代の平和移行責任を根拠づける法的原則や法的価値が表明されていないかどうかを検討した。