表題番号:2015B-439 日付:2016/04/10
研究課題文字表記の視覚効果と第二言語の音素認識の関係の検証と音声教育への応用
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 国際教養学部 教授 近藤 眞理子
(連携研究者) 国際学術院 准教授 ドゥテ・シルヴァン
(連携研究者) 国際学術院 外国人特別研究員 ショート・グレゴリー
研究成果概要
 本研究は、日本語話者が苦手とする外国語音素の文字表記をかき分けることにより、それが第二言語の音素の認識に影響を与えるかどうかを、中学生を対象とし、調査した。英語の発音で日本語話者が最も苦手とする/l/と/r/、/b/と/v/の習得を、日本語の文字表記との関連から検証し、学習者に英語の発音を「バビブベボ」と「ヴァヴィヴヴェヴォ」またラ行は片仮名とアルファベットのLとRを組み合わせて書き分けさせることで、綴りの習得に差が出るか調査を行った。半年間という限られた期間の調査であったので、個人差も大きくはっきりと差が出たわけではないが、全体的な傾向として、書き分けをしたグループの学習者はコントロールグループと比較して、/l/-/r/、/b/-/v/とも、文字の認識に若干であるが有意な差が見られた。今後学校教育の限られた学習時間で、発音記号を十分教えられなくても、片仮名を用いて十分効果的な発音教育が行えるようになる可能性を示唆している。