表題番号:2015B-438 日付:2016/04/02
研究課題植民地主義と「植民地近代性」の変容  第一次世界大戦とフィリピン
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 国際教養学部 教授 岡本 公一
研究成果概要
 本研究では、被植民地側からの宗主国への協力を通した自治・独立を展望する運動が展開されたフィリピンの第一次大戦期、特に独自の軍事組織であるNational Guard(アメリカ史の脈絡では「州兵」と訳されている)の創設と運動に着目した。 

 アメリカの大戦参戦直前に設立されたNational Guardは、一方では合衆国憲法が規定する意味での「州兵」を持つことにおいて、宗主国との関係においてより高い地位を目指す。その一方で、アメリカへの忠誠、民主主義の擁護を掲げ、第一次世界大戦への参戦をアメリカ本国に求める。この2重性の分析を通して、アメリカ植民地主義とフィリピン独立運動の変容を跡づけた。