表題番号:2015B-367 日付:2016/04/11
研究課題個別科学の哲学と一般科学哲学の総合による俯瞰的科学哲学の構築
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 講師 吉田 敬
研究成果概要
本年度は俯瞰的科学哲学の構築を目指すにあたって、特に個別社会科学の関係性について検討を行った。その際に重要な概念として制度に注目し、新制度派経済学の影響を受けたアセモグルとロビンソンによる制度論について考察した。包括的制度と収奪的制度に関する彼らの議論はポパーが提示した、開かれた社会と閉ざされた社会の違いに通ずるところがある。そのような観点から考えてみると、ポパーの立場はアセモグルとロビンソンの立場と補完的な関係にあると捉えることができる。

このような制度論的議論を他の社会科学や自然科学と比較検討し、俯瞰的な視座を得ることが今後の重要な課題である。